春分の日ー祖先供養についてー
こんにちは、十日恵比須神社 神職です。この「神職と巫女からのお便り」では神社に関する話題から、私たちが日々奉仕をする中で感じることなど、様々な記事を掲載致します。
今回は「祖先供養」についてのお話でございます。
令和4年の春分の日は3月21日です。この前後3日間を合わせて「春のお彼岸」と呼びます。
お彼岸といいますと仏教を連想する方が多いかと思いますが、元より神道においては、お墓参りをすることでご祖先様をお祭りし、日々の感謝を申し上げる節目として、古来より大切にされてきました。
ここで重要であるのは、ご祖先様には「日々の感謝を申し上げる」というところです。
例えば伊勢の神宮の内宮において、天照大御神様がお祭りされている御正宮では皇室の弥栄と国家の安泰を祈念し、別宮である荒祭宮にて個人の報告をするようにお宮が分けられています。
これは神様によって祈念する内容の思慮分別または個人の報告を申し上げることの是非を意識しなければならないということです。
そしてご祖先様は家族親族を常に守ってくださる神様です。家族揃ってお墓参りを行い、自分自身のこれまでの近状報告とともに、いつもお守りいただいていることの感謝をお伝え致します。
神道では祝詞の中で「感謝(いやび)の御祭(みまつり)」という言葉を用いますが、ご祖先様にとっては、その祈りこそが何より喜ばれることであり、私たちにとっても自分自身のお祓いになります。
ぜひ皆様もこの機会に、お墓参りにてご祖先様へ日々の感謝をお伝えください。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。